交渉金額の求め方
土地の理論価格の算出法(鉄道/プレイ人数:5人 状況:1周目)
鉄道の2つめの土地はいくらで売買されるのが良いでしょう。
条件は5人でのゲーム。全員が1周したところ。あと2.5周でカラーグループが揃い、殴り合いが始まると仮定します。
殴り合いが始まった時点で鉄道は4つの土地を揃えておかなければ勝負になりません。
2つめの鉄道を1周目に手に入れる場合、その後の鉄道の運営戦略も含めて検討しましょう。
鉄道を4つ揃え、他のカラーグループは揃えることができなかったと仮定しましょう。
相手にカラーグループを揃えさせる際には、こちらには現金が手元に残っているので、殴り合いが始まった2.5周の時点すぐに、破産は起こらないでしょう。
そこで、さらに1.0周進んだ、合計4.5周後(現在から3.5周後)までに、どれだけ回収できるかを計算し、そこから理論売買価格を求めましょう。
① 現在の価値(1つめの鉄道の土地)を算出する
①-A 目標周後までにいくら稼ぐ(レンタル料が入る)のか?
まず、1つめの鉄道の土地は$200で購入しています。
しかし、1周につき$4.14のレンタル料を得られ、5人のゲームですから、3.5周後のレンタル料合計=$4.14×3.5×4(人)=$58となります。
①-B 目標周後までに相手はいくらレンタル料を失うのか?
Aのレンタル料は相手4人からもらうこととなるため、相手が失うレンタル料は、$58÷4(人)です。
①-C 目標周後にいくらで売れるのか(抵当価格以上で売れるのか?)
3.5周後に$200の鉄道を$200で他人に売れるかを検討すると、抵当価格+α($150程度)と思われるので、▲$50の評価損が予想さる。
①-D 現在の価値が算出できる
よって、1つめの鉄道の土地の現在の価値=$200(原価)+$58(①-A)+$58/4(①-B)-$50(①-C)=$222と言えるでしょう。
さて、2つめの鉄道の土地も同様に計算してみましょう。
② 2つめの鉄道の価値を算出する
②-A 目標周後までにいくら稼ぐ(レンタル料が入る)のか?
1周につき$16.57のレンタル料を得られ、5人のゲームですから、3.5周でレンタル料=$16.57×3.5×4(人)=$232となります。
②-A’ 2つめの鉄道を購入することで増加したレンタル料はいくらか?
2つめの鉄道の土地を手に入れることによるレンタル料アップは$232(②-A)-$58(①-A)=$174となります。
②-B 目標周後までに相手が支払うレンタル料の増加分はいくらか?
相手が失うレンタル料の増加分は、$174(②-A’)÷4(人)です。
②-C 目標周後にいくらで売れるのか(抵当価格以上で売れるのか?)
2.5周後に$200の鉄道を$200で他人に売れるかを検討すると、鉄道1件のみの場合とは異なり、2件合わせて$350での売買は十分可能である。
評価損・評価アップともなく2つめの鉄道は$200で売ることができるとする。
②-D 現在の価値が算出できる
よって、2つめの鉄道の土地の現在の価値=$200(原価)+$174(②-A’)+$174/4(②-B)=$417と言えるでしょう。
③ 交渉での利益分配
そこでAさんがBさんに2枚目の鉄道の土地を売る場合を考えてみましょう。
Aさんは$152の価値の土地をBさんにいくらで売ればAさんもBさんも同等の利益を得ることができるのでしょうか。
③-A 独占による価値の増加
Aさんのもつ$222の土地がBさんに売買されてBさんが独占すると、$417の価値に上がります。
一方が独占することで、$417(②-D)-$222(①-D)=$195も価値が上がります。
③-B 利益の分配
Aさんは$417でBさんに売買すればよいのでしょうか?
この場合、Bさんは売買によって利益はなく、Aさんは$222の価値のものと$417で売ることができ、Aさんの$195の得となってしまいます。
それでは、$195÷2=$97.5ずつ利益を分けるべきでしょうか?
モノポリーの世界ではインフレ(*1)が起こります。時間と共に現金の価値が下がっていきます。
現金を持つ方が有利ですので、Bさんに利益を厚くして、利益はAさん$80、Bさん$115と分配するとします。(インフレ率から妥当)
*1:1周毎に市場には$200×5人=$1000の現金があふれます。
元の現金が$1500×5人=$7500のため、モノポリーの世界では、時間と共にインフレ(現金の価値が下がる)ことが起こります。
③-C 売買価格の決定
売買価格は、AさんがBさんに$222(①-D)+$115(③-C)=$337で売買するべき。
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